毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
「俺は瑞希さんが好きなんだ。お前とは、付き合えない。」
倫子の顔が凍りつく。
真っ青になって、涙も出ないようだ。
反対に、俺はスッキリしていた。
勢いで言ってしまった感はあるものの、こいつにはハッキリ言わないとな。
「聡介、後悔するよ。」
背を向けて歩き出そうとした俺に、倫子が声をかける。
暗い声だった。
「いじめたりするのか?そりゃ、暇人だな。」
その目があやしく光ったような気がするのは、気のせいにしておきたい。
「さーね。どうだろうね。あたしじゃなくても、聡介のファンはいっぱいいるからね。」
「そんなことすれば、俺はもっとお前から遠ざかるだけだ。」
俺は、歩き出す。