毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
眉間にしわを寄せた俺に、分かりやすく溜め息を吐きながら、北村は隣に並ぶ。

「じゃあ、いい加減売店行くぞ。」

容赦なく北村は俺を引っ張り、売店へと連れて行く。


会いたいのに、会いたくない。


でもやっぱり俺の眼は、売店に着くなり瑞希さんを探していた。
今日はレジに居ないみたいだ。
人も少ないし、品出しでもしてるのかもしれない。

「あ、伊東君だ。」

俺の姿を捉えた売店のおばちゃんが、こっちへ来いと手招きをしている。
すっかりご無沙汰ではあったが、まだ覚えていてくれたらしい。

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