毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
大塚さんは顔を真っ赤にしている。


「いえ、すみません・・・購買部の大塚瑞希といいます・・・」


照れたように、うつむいて、声もだんだん小さくなっていく。

胸の奥が、甘く疼いた。

俺の周りに居る女性は、こんな可愛い反応はしてくれない。
どっちかっていうと、ガツガツ寄ってくるタイプばっかりだ。

「大塚瑞希さん。」

フルネームで呼べば、赤い顔のまま彼女は笑った。
「はい。」
「花、好きなんですか?」
突然の質問に、彼女は眼を丸くしてから、ふっと微笑んでオレンジ色のツツジの方を向く。
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