毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
言ってて俺自身がカシラっぽくなってるから、この伊東一派っていうのやめよう。
もう、あいつらで充分だ。

「何か言われた?倫子の事は無視して欲しいんだけど。」

あんなの気にしてたら、瑞希さんの身がもたないぞ。
現に俺がそうだからな!

「えっと・・・いえ、大丈夫です。」
「大丈夫ってことは、やっぱなんか言われたんだな。」

何か言われてる時点で、大丈夫じゃない状況だと俺は思うんだが。
お互いに口を開きかけた瞬間。


「瑞希さん!」


瑞希さんを呼ぶ男の声が、朝の公園に響く。

振り返れば、目の前の彼女と同じ顔。
・・・いや、年齢を重ねた彼女の顔だ。


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