毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
「瑞希さん!」
必然的に注目の的だ。
仕方が無い。さっきあんだけ騒いだんだから。
呼ばれたら振り向かなければいけないと、瑞希さんは恥ずかしそうにこっちを向いた。
その、仕草さえも。
周りの眼が気にならなくなるぐらいに、俺の心を捕えてる。
「はい、何でしょう?」
平静を装うのが精いっぱいなのか。
ちょっと素っ気なくなってるのは、俺の事が嫌いになったとかじゃないと良い。
「あの、さ。見て欲しいものがあるんだ。」
ようやく、君が好きそうなものを見つけたから。
そんな思いを込めて、言葉を紡ぐ。