毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
「あ!!!」
ここです、と言うより早く、瑞希さんの眼はドクツルタケを発見したらしい。
さすがだ!
「ど、ドクツルタケ!!」
さっきまでの微妙な表情とは違って、瑞希さんは生き生きとドクツルタケに近付いて、もっとそばに寄ろうとしゃがんだ。
その笑顔が、俺の求めていたもの。
木々の間から降り注ぐ、夏の日差しに照らされて。
なんだかきらきらして見えた。
「これ、伊東さんが見つけたんですか?!」
「さっき。毒が無いのかと思ってきのこ博士に確認取ったら、猛毒だって聞いて。」
君の笑顔が見たくて、俺は呼びに行ってしまった。