毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
自分からこんな風に告白するなんて、一体いつぶりだか分からない。
もしかしたら、初めてかもしれないんだ。


やたら長く感じる沈黙を、早く破りたくて仕方が無い。

そうやって焦ると、表情に出るから、もう一回深呼吸をした。
瑞希さんはまだ、口を開こうとしない。


イエスなのか、ノーなのか。


この異常な緊張感を、君の言葉で拭い去って欲しい。




「あ!」




話をそらすように、瑞希さんは小走りで俺をすり抜ける。

体ごとそれを追えば、彼女が向かった先に、赤い実の付いた、小さな山ブドウのような植物。

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