毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
・・・胸が、痛んだ。
俺の告白、無視されたんだな。


「い、伊東さん、ドクウツギです。」


震える声で、必死に俺に話しかける瑞希さんは、こちらを向いてはくれない。

「ブドウみたいで、美味しそうですが・・・。」

どうせ、毒草なんだろ?
返事が出来ないからって、そうやって逃げられると、結構傷付く。

俺が何も言わないでいると、彼女は震える声で更に続けた。



「猛毒で。呼吸麻痺とか、そんな感じで、色々・・・すごくて。」



説明に、いつものキレがない。

とにかく猛毒だってことしか、伝わってこなかったし、そんなすごい毒草見つけたのに、あの生き生きとした笑顔も無かった。




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