毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
瑞希さんはドクウツギを軍手越しに手に取りながら、必死で言葉を探している。


「もう、いいよ。無理しなくて。」


期待した返事がもらえずにガッカリしていた俺は、力なく返事をした。

その言葉に、びくっと肩を震わせて、瑞希さんはうつむく。

自分から無視しといて、その反応は一体何なんだろう。

君の気持が、ぜんぜん見えない。


「す、すみません・・・。」
「別に、謝る必要はないって。人の気持ちは、どうこう出来ないから。」



「ち、違うんです!」



ドクウツギに触れていた手をはなし、勢いよく俺に振り返った彼女は、まだ真っ赤な顔をしていた。

「ごめんなさい、違うんです・・・。」

目が合ってしまって、瑞希さんはまたうつむく。
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