毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
ちょっとした夜景スポットになってて、一人でもよく来た場所。
誰かを連れてきたのは初めてかもしれない。

昼間でも充分街並みが見渡せて綺麗だが、夕方は夕陽、夜は夜景、遠くには海が少しだけ見える。

「降りるか。」
「はい。」

俺はドアを開けた。
むっとした湿気をはらんだ夏の空気が、体を包み込む。
それでも景色は綺麗で、隣に並んだ瑞希さんが感嘆の声を小さく上げるのが聞こえた。

素直な表現が、俺の心を弾ませる。

「綺麗ですね・・・。」

まだ高い陽。
夏は日が長いから、夕陽を見ようと思うとまだまだ時間がかかってしまう。
少しだけ爽やかな風が、髪を揺らした。

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