毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
俺は触れたくなって、距離を詰める。

横に並んで、彼女の空いている手を、そっと握ってみた。
驚いてこっちを見た瑞希さんの視線を、横顔に感じながら。

俺は黙って街を見下ろす。
待っていても握り返されない手に、少しだけ力を込めた。


「あの、さ。」
「はい?」




「ほんとに、俺でいいの?」




あの場の勢いで告白してしまったが、それに流されて受けたんじゃないといい。


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