毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
弾まない会話と、握り返されない手に不安を覚えて、つい俺は聞いてしまった。
言ってから後悔してる、アホな俺。
だから、彼女の顔が見れない。
自慢じゃないが、俺は誰かを自分から追いかけた事なんてほとんどない。
ある意味恋愛初心者なんだ。
「もし、あの場の雰囲気に流されて・・・とか、だったら。今なら白紙に戻せるし。」
何言ってんだ俺!!
ほんとアホすぎるだろ!!!
やっとの思いで付き合い始めたってのに、初日にこれか?!
「伊東さん!」
「え?」
「私、雰囲気に流されるタイプじゃ、無いです。」
俺の前に立って、ぴしゃりと言いきった彼女の眼に、迷いは無い。