毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
全部込めたありがとうが、君に伝わると良い。
「伊東さんこそ・・・、私なんかで、いいんですか?」
腕の中で小さく聞いてくる、声。
「瑞希がいい。」
呼び捨てで呼んでみたら、肩がピクリと反応した。
ほんと素直だなー。
「瑞希だから、好きなんだ。」
臭いセリフでも、笑わずにいてくれる。
ぐっと握られた彼女の拳が、俺の背中にまわされる事は無く。
「伊東さん、恥ずかしいです。」
「聡介。」
「そ・・・聡介、さん。」
恥ずかしさで顔も上げられないであろう瑞希を、俺はわざと体ごと離した。