毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
耳障りな高音が、廊下に響く。


「じゃあ、食べてみますか?」


穏やかな声なのに。

なんとなく、じゃない。

瑞希が本気で怒っているような気がする。

あの、いつも笑顔の、彼女が。


「食べてあげようか?それであんたの気が済むなら。」

「どうぞ。」


瑞希は、倫子の友人と思われる女性社員に、何かを手渡した。
たぶん、アサガオの種なんだろう。

鼻で笑った後、それを口に入れようとした、その時。


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