毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
俺の背中で何も言わない瑞希を気にしながら、俺は続けた。


「確かに、お前の事ちゃんと知らずに付き合った俺も、悪かった。でも、俺達は互いに続こうって努力をしなかった。」


若かったと、それだけでは済まされない。
若くても、長く付き合ってる人なんてたくさんいる。

あの頃の俺達は、それにまだ気付けてなかったんだと思う。


「どりょくって、なに?あたし、がんばったよ。そーすけの、となりにいられるよーに、きれいになろーって。」


しゃくりあげながら、倫子は言った。
そういう努力じゃないんだと、どう伝えていいのか分からない。

確かに俺は、倫子の事は外見で選んだ。
それは否定しない。

「がんばって、おとなっぽいカッコしてさ。その地味女とはちがって、きれーでしょ?」

瑞希は着飾るタイプじゃないからこその、魅力がある。
地味かもしれないが、きらびやか過ぎるよりも、落ち着きがあるんだ。

< 276 / 437 >

この作品をシェア

pagetop