毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
どういうことなのか、まだサッパリ分からない。


「春って・・・俺がポトス切ってた時には、もう決まってたのか?」

「はい。ずっと言えなくて・・・すみませんでした。」


頭を深く下げる目の前の瑞希は、本当に申し訳なさそうにしている。
そんなことはどうだっていいから、理由が、知りたい。


「いや・・・言い辛い理由が、あったんだろ?」


何とか冷静を装って、俺は尋ねた。

瑞希は頭を上げて、バッグの中から一枚の紙を取り出した。




「受験票・・・?」




「はい。私、高校の教員採用試験を、受けてるんです。」




「高校教員?!」




受けてるって・・・俺と、付き合う前から?

それでさっき、“子供に教えたい”って言ったのか?



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