毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
「そっかー、お前、売店の子落としたんだっけ。」
おっとりしたしゃべり方の眼鏡男子の、横山。
「売店のコ?おばちゃんばっかじゃね?」
背が高くてガタイのいい、スポーツ刈りの荒木。
「違う違う。その中で一人だけ、若いコいるんだって。」
それから、北村。
この三人が仲の良い、同期入社メンバー。
三人とも俺と同じフロアにいるが、開発なのは俺と北村だけで、横山と荒木はシステム開発部に居る。
荒木みたいな容姿のヤツが、システム開発でちまちま作業をしているのを見ると、すっげー笑えるんだが、こいつが実は一番のインテリで、有名国立大出身だ。
パソコンよりも、ラグビーボールの方が似合っていると思うんだが。
「若いコ?あの、よくレジにいる?」
「そうそう、眼鏡の大塚さん。」
答えたのは、俺じゃなくて北村。