毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
コール音が、耳に響く。


『はい、もしもし?伊東さん??』


いつもよりも少し驚いたような声。


「瑞希、元気?」

『へ?あ、はい、元気です。どうされたんですか?こんな時間に。』


言われてから、部屋にある置き時計を見た。
時刻は深夜1時。


・・・は?


1時?!


瑞希の声は寝起きでもなく、まだ起きていた事はすぐに分かった。
だから余計に、そんな時間だとは思ってなかった。
居酒屋を出た時間も、覚えてない。


「声聞きたかっただけ。酔っ払いで、すまん。」

『伊東さん、酔っ払いなんですね。』


クスクスと、笑う。

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