毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
こんな時間まで、瑞希は何してたんだ?


「瑞希、今何してた?」


気になって聞いてみる。


『論文、書いてました。』
「あー、そっか。邪魔して悪かった。」


論文・・・教員採用試験用のだろうな。

『いえ、もう終わる所でしたから。』
「そっか。早く寝ないとな。」

俺はゴロンと、ベッドに横になる。
それからぼんやりと、白い天井を見ていた。
「俺さー・・・。」
『はい。』
「今タバコ臭いかも。」
シャワーで臭いはとれたんだろうが、鼻にまだ残っているような気がする。


『タバコ、吸われましたっけ?』

「違う。俺じゃない。臭いついたから。」

『ああ、居酒屋ですもんね。』


穏やかな声が、眠気を誘う。

自分から夜中に電話かけといて、眠くなるなんて最低だな、俺。
でも、瑞希の声が耳に気持ちいい。

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