毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
しばらくして、ガチャと玄関が開いた。
開けたのは、待ち望んでいた瑞希ではなく、よく似た顔。

・・・よく似たっていうか、同じ顔だ!

きのこ博士の遺伝子が強すぎるのか?!

輪郭なんかは多少男っぽい感じだが、同性の双子でも通じそうなぐらいに似てる。

そう。
美青年だ。

きのこ博士の若い頃は、こんな顔だったんだろう。


「伊東さん、こっちどうぞ。」


愛想は無い。

手招きをする弟?の方に行けば、無表情のまま、玄関の中に入れられた。

「あの、お邪魔します。」

入るつもりなんて無かったんだが、無下に断ることも出来ず、何より瑞希に会うという目的を果たしていないから、帰れない。
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