毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
そんなことぼんやり考えていたら、リビングのドアへと消えようとしていた和希君が、無愛想なまま振り返った。

「姉、激怒してましたけど、なんかしたんスか?」

ショックで靴を落としそうになった!
やっぱりめちゃめちゃ怒ってんだな・・・

「そ、そうですか。」

「はぁ、まぁ、アンタのせいかは分かりませんけどね。」

いや、俺のせいだ。

間違いなく、俺のせいだ。

被害でも被ったんだろうか。


あの温厚な瑞希を怒らせるとか、俺すごくね?!
じゃなくて。

温室へ続く廊下は長くないが、せっかく会えるのに足取りは重い。

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