毒草彼女 －ポトスで始まる恋ー

定時終業のチャイムが鳴り響く。
開発部の窓から外を見れば、相変わらずどんよりとした空から、雨が降っていた。

恵みの雨とよく言うが、こうも降り続けられると、気分が滅入る。
休みの日まで雨が降られると、ドライブも行く気が失せた。
せっかく定時で上がっても、出掛ける気が起きないんだよな・・・ほんと、定時だーって、テンション上がったのに。

俺は愛用の斜めがけバッグを肩にかけて、席を立つ。
「お疲れさまでしたー！」
見れば、すでに半分ぐらいの人数しか、グループには残ってない。みんな今日は早いみたいだ。
「お疲れ様―。」
「お疲れ様でーす。」
残った面々に見送られながら、俺は駐車場へと歩いた。