毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
暗い紫色だっていう根っこを見てみたいと思ったが、せっかく大事に育てたのを抜いてくれと頼むわけにもいかない。

とにかく、電話が切られた理由は分かった。

・・・若干、腑に落ちないが。


「・・・すみません、わざわざここにきていただいたのに、また植物の話ばかりで・・・」

「いや、瑞希の話は勉強になるから。」


俺が知らなかったことを教えてくれる。
それは立派な勉強だ。

ほっとした顔で、瑞希は歩き出す。


「ここ、毒をもつものばかりなので、気をつけて下さいね。」

「・・・ああ。」


にっこり笑って言うけど、結構な量だぞ・・・。
平屋の一戸建てぐらいの広さに、毒の植物だらけって・・・すごい家だな。

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