毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
大事な物は、デスクの中にしまってあるに違いない。

そこまで躍起になって探すのもおかしな話なので、俺はベッドの下に座ることにした。

グリーンで統一された部屋の中は、落ち着いた雰囲気だ。

携帯を取り出そうとポケットに手を伸ばした時、部屋のドアがノックされた。


「あ、はい。」


俺の部屋では無いのだが、返事をしないわけにはいかないので、一応してみる。
するとドアが静かに開いて、瑞希が入ってきた。

「お待たせしました!」

着替えを済ませ、メイクも直してきた瑞希は、手にグラスの二つ乗ったトレーを持っている。
俺は思わず立ちあがって、瑞希を迎え入れた。
ノックされた時に、ドア開ければよかったな。


「すみません、可愛げのない部屋で。」

「いや、瑞希らしいよ。」


最初はちょっと驚いたが、だいぶ慣れてきた。

苦笑しながら、瑞希は部屋の真ん中におかれた小さなテーブルに、氷の入ったグ
ラスを置く。

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