毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
ニコってのじゃなくて、口元だけの馬鹿にしたような笑みだったが。


「ふぅん・・・じゃ、せいぜい優しくしてやってくださいね。」

「もう、和希君出てってください!」


ドアを開けて、瑞希が和希君を追いやる。
大人しくドアの外に出て行った彼は、瑞希の押し出しが無くなるとこちらを向いた。


「あ、そうそう。用件があったんだけど。」

「手短に!」

「さっきマンゴー届いたから、食えば。」


それが部屋に来た本当の用事だったわけだ!

何で来たのか、ちょっと不思議だったんだよな。まさか突っかかる為だけに来たとは思いたくなかったし。


「マンゴー!」


瑞希の目が途端に輝く。
それとは反対に、和希君の目は冷たい。


「態度変えてんじゃねぇよ。アンタの頭ん中、ほんと単純だな。」


単純ってことは・・・マンゴーに毒が?!


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