毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
「あ、伊東さん、ウルシかぶれないっすか。」

ウルシ?
なんで、マンゴーからウルシ??

「無いと、思うけど。」

「あとはそこの毒草女に聞いて下さい。じゃ。」


ぱたんと閉められたドア。

また、2人きりになる室内。


和希君が来た時は、2人きりに戻りたいとか思ったけど、なんとなく気まずい。
あの“処女”発言のせいだってのは分かってるけどさ。

瑞希は俺と目を合わせようともしないし、俺もまともに顔を見る事が出来ない。


別に、いいじゃないか。

気にすること、無いと思うけど。


「・・・あ、のさ。」

「は、はい!」


顔を合わせないまま、最後に和希君がくれた話題を振ってみる。


「マンゴー、毒草なのか?」


瑞希の顔が、途端にこちらを向いて輝いた。

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