毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
クラッチを踏む足の力を弱めるのに失敗して、エンジンが緩くノッキングした。


「怖いって、何で。」

「仕事にしたら、嫌いになりそうだったんです。」


だから、農業から遠い工場での勤務を選んだのか。

俺は、嫌いになってなんかいない。
そりゃ、仕事なんだから失敗もあるし、辛い事、嫌なことだってある。
だが好きなことだから、続けられたんだ。


「好きな事、ずっと続けていたい事は、趣味に留めておきたかったんです。でも、父や弟を見ていたら、もう一度、農業に携っていたいと思って。」


そっか。

瑞希の家は、好きな事を仕事にしている人間が、2人もいるんだ。
・・・きのこ博士は、好き過ぎてとんでもない事になってるが。

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