毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
無理やり決めた目的地の道の駅に着いた。
コンビニを通り過ぎてから、一時間ぐらいだろうか。

瑞希はその間気持ちよさそうに寝ていたが、着いたので起こすことにした。
この寝顔をもっと見ていたい気持ちは、もちろんある。
だがバゲットシートに乗り続けると腰が痛くなるので、そろそろ外に出ないとヤバい。寝てる瑞希も起きたら痛いはずだ。


「瑞希、休憩しよう。」


声をかけるだけで、瑞希はゆっくり目を開く。
それから少しぼーっとしていたが、やがて状況が読めたのか、俺に向かって頭を下げた。


「す、すみません!寝てしまって・・・。」


あまりの慌てっぷりに、俺は思わず笑ってしまう。


「いや、いいよ。」


可愛い寝顔見せてもらったし、とは、伏せておいた。


いつまでたっても謝り続けるので、俺は降りて助手席のドアを開け、瑞希を外へ連れ出す。

少しだけ山の中にあるこの道の駅では、夏の終わりを知らせるように、ツクツクボーシが鳴いていた。

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