毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
手をつないで、歩き出す。


「腰、痛くないか?」

「少し痛いですが、大丈夫ですよ。」


あのシート気に入ってるんだが、これだけが難点だ。


「なら、良かった。」


俺達は花壇の前のベンチに座って、ご当地ソフトクリームってヤツを食べた。
夏はアイスに限る。

盆休みだから人が多い。
だからアイスを買う時も少し並んだが、地元の特産品である栗を使ったソフトクリームは、甘すぎず美味しかった。

食べ終わったからごみを捨てて、瑞希の待つベンチに戻る。
じっと花壇を見ているってことは、きっと何か毒草を見つけたんだろうな。


「なんか、あったのか?」


瑞希は顔をこちらに向けて、柔らかく微笑む。
いつもの毒草を見つけた時の顔じゃなくて、穏やかな表情。
どうしたんだろう。

いつもは、あんなに輝くのに。


「マリーゴールドが綺麗だなと思いまして。」


オレンジや黄色のマリーゴールドが、花壇に並んで咲いている。

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