毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
レタスをフォークで刺して、口に運ぶ。

シャキシャキとした食感と、松岡特製ゴマドレッシングが、またうまい。


前にこの店に来た時、トマトが毒草だって知って驚いたんだよな・・・なんて、サラダに乗っているトマトを見て思い出した。

あの時はまだ付き合ってなくて、好きかどうかもハッキリしてなくて。
そんなに前の事じゃないのに、俺達の関係はとても進歩したと思う。
トマトだけでこんなに思い出せるのも、不思議な話だが。


隣に座る瑞希は、ニコニコしながらサラダを食べている。
こうして彼女と食事を共にする機会が増えたら、野菜が好きだと言う事が分かった。

農業高校の先生になりたいぐらいだから、嫌いじゃできないか。
俺の頭の中に、再び笑顔で農作業する瑞希が思い描かれた。


「なんか楽しそうだな。」

「ああ、明日伊勢に行こうって話。」


松岡がパスタを持ってきて、話に加わろうとする。

< 389 / 437 >

この作品をシェア

pagetop