毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
食べ終わり、会計を済ませ。
俺達は瑞希の家に向かう。

道中なんとなく緊張した空気が流れたものの、嫌な雰囲気ではなかった。

家の前に着くと、瑞希はサイドブレーキを引いた俺の方を向いて、街灯に照らされながら頭を下げた。


「後ほど伺います。あの・・・お風呂とかは済ませてから行きますので、一時間
ぐらいは掛ってしまうかと思いますが、家を出る時にメールします。」

「分かった。待ってるから、気を付けてな。」

「はい。えっと、よ、よろしくお願いします。」


何と言って別れて良いのか分からない戸惑いが、伝わってきた。
だから俺は努めて普通に接するべきなんだろう。



「ああ、またあとで。」



瑞希が車を降りて、ドアを静かに閉める。
俺は手を振ってから、車を発進させた。





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