毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
瑞希は幾分か和らいだ表情で、並べられたスイーツを選び、モンブランを手に取る。
それから恥ずかしそうに俺の方を向いた。

「あの、すみません・・・なんか勢いで話してしまって。」

確かに勢いは凄かった。
いつもの瑞希からはあまり想像できないぐらいに。


「や、ちょっと新鮮だった・・・っていうか、隠さずに話してくれたってのが、俺としては嬉しい。」

「でも、聞いていて気持ちの良いものでは・・・。」


俺もプリンを手にとって、静かに首を横に振った。


「確かに俺も悔しいけどさ。瑞希は嫌な気分だったんだろ?」


不安そうに俺の目を見つめたまま、小さく頷く。
俺にはそれで充分だ。
だって、浮気されたとか、そんなわけじゃないんだし。


「それなのに、全部話してくれて、ありがとな。」


これぐらいしか、言えない。
もっと言葉がうまかったらと思う。
アルコールのせいでいつもより感情的になっているのか、瑞希は目を潤ませてモンブランを握りしめた。
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