毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
かちゃっとドアが開いて、再び瑞希が入って来る。

「あ、お待たせしました。」

パジャマ姿で眼鏡を外した瑞希は、いつもより幼く見えた。
俺は雑誌を閉じて元に戻し、ベッドから立ち上がる。

「俺も歯磨きしてくるから、眠かったら寝てて。」

「え?あ、は、はい・・・。」

あえて彼女の顔は見ない。
見ると照れ臭くなってしまうだろうから、俺だけでも普段通りでいた方がいいは
ずだ。

とか思ったはいいが、洗面台の鏡に映った自分の顔は、思った以上に赤くなっていた。


緊張なんて、してはいけない。


俺が構えれば構えるほど、きっと瑞希は混乱してしまう。


大事に、したいから。


歯ブラシを握る手に力がこもる。

磨き終わって部屋に戻ると、立ちつくしたままの瑞希が居た。
ドアの音にびくっと体を反応させて。

その背中がたまらなく愛しく思えて、後ろから抱きしめた。
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