毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
強張る体が、少しだけ震えているような気がした。
鼻先をくすぐるシャンプーの香りは、出会った日のまま。

多分、何も変わって無い。

振り向かせてキスをしたい衝動をこらえて、抱きしめる腕に力を少しだけ込めた。



「このまま、寝かせて。それだけで俺は充分だから。」


「い、伊東さ・・・。」



振り向こうとする瑞希に、顔を見られたく無くて。
俺は彼女の肩に顔を伏せた。


「怖い思い、してほしくない。」


焦らないと決めたから。

瑞希のペースで、自然に関係を進めていこう。
気持ちとは裏腹に、情けない顔をしているんだろう。

「でも・・・私。」

何かを言いかけた瑞希の口をキスでふさいで、そのままベッドに押し倒す。

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