毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
大塚さんとのメールは、のんびりだ。
彼女は返せるときに返すタイプらしい。

それに、絶対“おはよう”とか、“おやすみ”だけの一言メールは来ない。
だから俺も、メールがめんどくさくなる事は無かった。

学生の時付き合ってた彼女とは、毎日何百通も一言メールをかわしたりしていたが、社会人になるとそうはいかない。
仕事中は返せないし、疲れて帰れば一言メールを返すのもおっくうになる。
そういうところが無いから、大塚さんとのメールはある意味楽だった。

明日の朝には、メールが来ているだろう。

そんなことを思いながら少しパソコンをいじって、喉が渇いたから冷蔵庫から出してきたビールの缶を開ける。
ぷしゅ、と。
同時ぐらいに、携帯がメールの着信音を発した。

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