毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
2人で車を降りて、コンビニに入る。
俺はトイレを済ませた後、レジ前でガムを選んだ。
気付いたら大塚さんが隣に居て、その手にはアメを持っている。

「車の中で、飲食OKですか?」

驚いた。
俺が朝彼女からもらったコーヒーを飲みながら来たから、勝手に買って食べ始めるかと思ったのに。

「はい、ぜんぜんOKですよ。」
「ありがとうございます。」

そう言って、大塚さんは俺が取ろうとしていたガムを、先に取った。
驚いて彼女を見ると。

「これぐらい、させてくださいね。」

って。
そんな小さな気遣いに、胸の奥がじんとする。
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