毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
言ってから、顔が熱くなる。

「えと・・・。」

大塚さん困ってんじゃねーか!
俺のアホ!!

「ありがとう、ございます。」

大塚さんはエンジン音にかき消されそうなぐらい小さな声で、それだけ言って黙ってしまった。

ビーナスラインに入り、カーブが多くなってくる。
ギアチェンジも頻繁にしなければならないから、楽しいんだが・・・大塚さんの反応が、怖い。

ナンパな奴だと思われていたら、嫌だ。
素直に可愛いと思ったから言ったのであって、下心があって言ったわけでも、ない(と、思う)。
焦っても、運転には出ないようにしなければ。

だんだんと山を登ってきて、景色が変わって来る。
どうか。
どうかこの景色を、大塚さんが気に入ってくれますように。


できれば、会話も復活しますように!!






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