毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
緊張しながら、ビーナスラインを走っていく。

「あ!」

途中の展望台近くに差しかかった時、大塚さんが嬉しそうに声を上げた。
「何か、ありましたか?」
あまりの気まずさに景色が見えていなかった俺は、ようやく肩の力を抜いて、景色を視界に入れた。
すると。

「はい!レンゲツツジがたくさんと・・・スズランです!!」

レンゲツツジは、一緒に会社で見た花だ。
オレンジ色の群生が、道端を染めている。

その中にさりげなく、白い、可憐な花。

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