毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
何を考えているのかも分かれば良いのに、俺にはただ不安が押し寄せるだけ。
楽しく、無かったんだろうか。
あの笑顔が作りものだったとは、思いたくない。

「・・・その、もし予定あったりとか、気分が乗らないんでしたら・・・」

ゴリ押しは出来ないからな。
っていうか、したくない。
ダメなら、ダメと言ってくれ。

「いえ、嬉しいんです。でも・・・私といても、植物の話か、職場の話しかできないし・・・」

なんだ。
そんなことか。

拍子抜けしていると、大塚さんは言葉を続けた。

「それに、また伊東さんを怖がらせてしまうかもしれませんし・・・」
「俺、大塚さんの植物の話、好きですよ。」
「え・・・?」

また、横顔に視線を感じた。

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