毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
何も聞かれずに個室に案内され、俺達は対面で座った。
近くも遠くも無いこの距離が、今の2人の関係を表しているのかもしれない。

「伊東さん、お知り合いなんですか?」
「ええ、大学時代の悪友で。」

“まっつん”こと、松岡。

あいつの一人暮らしのアパートに乗り込んでは、いっつも飯食わせてもらってたっけ。
だって、無駄に手つきはいいし、ウマかった。
特にパスタが。

だから、この店のおススメは、俺的にパスタだったりする。
特に、トマトソース系のパスタは絶品だ。
「失礼します。」
特に会話も無くメニューを見ていた所に、松岡が入ってきた。
「お決まりですか?」
「俺、冷静トマトのカッペリーニ。大盛り。」
「はいはい。」
いつもの注文で、大盛りは俺専用。
大塚さんはまだメニューとにらめっこだ。

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