愛シテアゲル


 それから暫く、龍星轟の男達は夜遅い残業をするようになった。

 その中の一時間は、英児父を中心に事務所でなにやらミーティングをしている。

「ランエボXをとっつかまえるぞ!」

 ついに父ちゃんが動き出す。

 あれからランエボにやられた車は龍星轟には入ってこなくなった。整備部長のおじさん二人の外部調査でも、白のランエボに襲われて持ち込まれた様子の車は、他の整備店でもないとのことだった。

 エンゼルにぶつけてからなりを潜めてるランエボX。逆に不気味だった。

 大人の男達の話し合いに、小鳥は入れてもらえなかった。

 つまり。まだまだ子供、あるいは女だから。そう言われているような気がして、小鳥の気持ちは徐々にもやもやとして、すっきりしないものが胸の中に渦巻くようになっている。

 そして翔兄とも。夜遅い帰宅になるので、小鳥は暫くあのマンションに行っていない。

 

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