愛シテアゲル
痛いの痛いの、とんでいけ。(2)
「もう。白のランエボをとっつかまえることだけしか教えてくれない」
午前の講義が終わり、いつもの学食で定食を食べて、花梨やスミレが来るのを待っている。
本当に誕生日以来、花梨に会っていない。メールを送っても『いま、忙しいんだ。またメールするね』とだけ返信があってそれっきり。小鳥は小鳥で誕生日を境に、カレシができるは、初めて事故るはで落ち着かない日々を駆け足で過ごしていた。
学部が違っても、毎日毎日、お昼になったら学食で会えたのに――。こんなことも初めてだった。
まさか。勝部先輩と、勝部先輩と、勝部先輩と……!?? あらぬ想像で一人のたうち回る。
「はー、久しぶりの講義、疲れたー」
目の前に、いつもどおりの彼女が、急に現れる。
「午後の講義、しんどいなあ。もう帰りたい~」
本当に毎日毎日見ている彼女だったので、逆に小鳥は箸にご飯を挟んだまま、しばし停止してしまう。