愛シテアゲル
「えーー!? なにそれ! じゃあじゃあじゃあ、翔兄はずっと前から小鳥ちゃんのことを好きだったってことなの」
「そ、そうだったみたい。えっと、でも、まだ実感がないんだよ。嬉しいよ、すっごく嬉しい。でも……本当に女性として見てくれているのかって実感が……」
「ねえ。エッチしたの? 私がいない間に、ううん、誕生日に、あの後、もしかしてそのままいっちゃった?」
躊躇いなく大胆に花梨から尋ねてきたので、さすがに小鳥もたじろいだが、ここ数日小鳥にとっては待ちに待っていた瞬間。
「花梨ちゃん。教えて。すっごく痛かったんでしょう。そのとき、どうしたの」
その問いに、花梨も気がついてくれた。『まだ終わっていない』のだと。そして小鳥も正直に話した。いざそのときになったら、痛くてできなかった――と。(ベッドから落ちたのはさすがに省略)
花梨がため息をついた。
「そっかー。痛かったんだ」
「うん。覚悟はしていたつもりだったんだけど。花梨ちゃんはどうだったの、痛かったんでしょう」
「うん、痛かったけれど。その時だけっていうか。もう忘れちゃった。それぐらい一時のことだよ」
そうか。やっぱり我慢が足りなかったのかな。小鳥は情けなくなってきてうつむいてしまう。