愛シテアゲル
頬が熱い。自分からしたくてしちゃったキス。大胆に突撃したのは自分からなのに、小鳥はドキドキしていた。でも、もう恥ずかしくなんてない――。
「だから。そういう、顔で、俺を見るなって」
どんな顔? 声にならず、でも彼の眼だけをじっと見つめる。あの翔兄も、大人のお兄ちゃんも、頬がほてっているよう……。お兄ちゃんの目が潤んでいる。だとしたら、私もそんな目で彼を見つめているの?
熱く見つめてくれる翔兄が言った。
「もう一度、してくれないか」
小鳥のそういうまっすぐさが、俺を元気にする。だからもう一度……キスを。
うん、いいよ――。
そう言おうとしたのに。突然、倉庫の壁に押しつけられ、翔から小鳥の唇にぶつかってきた。お前からしてくれと言ったくせに、待ちきれないみたいに彼から吸いついてきた。
背中を壁に押しつけられて、逃げ場がなくて。でも小鳥も逃げない。彼に押されたら、押し返すぐらいに抱きついて唇を愛した。
いままでにない激しいキス。彼に負けないように唇を愛する。
スキ、好き、大好き翔兄。
キスとキスの間に熱い息で囁く。
体温と体温が混ざりあって、二人の体温が一緒になる。熱い体温。
唇と唇がゆっくり静かに離れる。