愛シテアゲル
「てっきり。もうお友達と呑んでしまったのかと思っていたよ。でも、」
おじいちゃんがゆっくりと立ち上がる。
「初めてでも、初めてでなくとも。誕生日を迎えた小鳥が会いに来たら、そうするつもりだったんだ。お父さんとお母さんには僕から事情を説明しておくから、今夜は泊まっていきなさい」
「うん。そうする。嬉しい! 私の初めてのお酒、おじいちゃんのカクテルになって嬉しい」
「この時の為に、僕ね、小鳥のためのカクテルレシピを考えておいたんだ」
え、私のためのカクテル? 小鳥は目を見開いて、大きなおじいちゃんを見上げる。
「そうだよ。さあ、そのグラスを持って、キッチンにおいで」
お祝いのグラスを持って、小鳥は嬉しくて嬉しくて、優しい熊さんのようなおじいちゃんについていく。