愛シテアゲル



 小鳥が提携したこのアウトドアサークルの先輩達は、どちらかというとイケてる男子の集まり。ファッションも、車も、勉強も趣味も、及第点から平均以上という活発男子の集まりだった。しかし彼等にも悩みが……。

「オタクって。先輩達だってオタクみたいなものでしょう。もう何事も男しか踏み入れられないようなハードなところまで追及しちゃうから」

 小鳥の言い分に、花梨の擁護も加わる。

「そーよ。先輩達だって、好きなことをとことん突き詰めようとする趣旨なんか、まさにオタクじゃない。登山部でもワンゲル部でもないのに雪山で天体観察をしようとか、北海道の雪山斜面でスノボーに挑戦とか、とんでもなくリスキーで面倒くさい遠出ばっかり。よっぽど好きな女子じゃないとついていかないって」

 彼等の悩みもまたそこで。趣味もとことんやろうとするので、気軽に交流したい女子大生がなかなか集まってくれないのだとか。

 時には男子と、時には女子と、気楽に集まってわいわいしたい。だけど同じ趣味の仲間とはとことんやりたい。その利害が一致して、小鳥のサークルと提携してくれたのだ。この二サークルが集まる時は『楽しいアウトドアなおでかけ』という決まりになっている。たとえば、観光名所へおでかけとか、キャンプに海水浴に野外バーベキュー、スキーにお花見に……など。楽しい交流を目的として提携している。




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