愛シテアゲル
姫様、いらっしゃい。(2)
今夜、自分の身体を綺麗にしてくれた湯は甘い味がした。
だからきっと、彼もそれをかんじてくれるはず。
優しく包まれる香りに守られ、小鳥は淡い明かりだけになったベッドルームへ。
「翔兄」
寝そべって待っていてくれた彼の側に小鳥は歩み寄る。
彼の浅黒い素肌も、しっとり汗を滲ませて柔らかに艶めいている。
起きあがった彼が静かに小鳥の手を引いた。
慣れていない女の子を見るように、彼が小鳥の顔色を窺っている。
いざとなってまた、彼女は怖がらないだろうか。
そんな案ずる優しい目に見えた小鳥は、そこで『大丈夫』と伝える代わりに、自分からバスタオルをほどいた。
仄かな明かりに、自分の白い肌が浮かび上がる。
それを目の前に差し出された彼も驚きもせず……。でも、そのまま小鳥の素肌に抱きついてきた。
彼が変貌する。小鳥の肌、そこがどこだからなんて関係なく、彼はそこらじゅう隈無くキスを繰り返してくれる。