愛シテアゲル


「ジャケットも白だ、白がいい」

 なんて真面目に答えながらも、熱い男の唇がさらに小鳥の肌にキスを何度も落とす。

「だめだよ、翔……。い、いかなくちゃ……」

 このままじゃ、いつもそうしているように、全部脱いで彼に抱きつきたくなってしまう。
 ぜんぶあげるから、お兄ちゃんの好きにしていいから、いつものように強く意地悪に愛して――と、飛びついてしまう。

 翔じゃない。小鳥の肌が上気する。
 理性が壊れそうになるのを必死で堪えているから、じんわり汗が滲んでいる。
 かすかに、お気に入り石鹸の花の香りが立ち上った。
 その香りを彼の鼻先が堪能している。

「小鳥の匂いだな」

 満足そうにして、やっと肌を愛撫する唇を離してくれた。

「わかっている。急ごう」

 最後に、軽いキスを首元と耳元と、そして唇にちゅっとしてくれる。


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