愛シテアゲル
彼の手がそっと、足を開いた。目線がまっすぐに黒毛に向かっている。もう小鳥の胸は緊張で張り裂けそう。そっと目をつむった翔の唇が、小鳥の柔らかい足に落ちる。ちゅっちゅと可愛らしいキスをしてくれている、なのに、そのキスが少しずつ少しずつ、黒毛の側に近づいてきた。
シャワーも浴びていないのに。どうしよう。
お兄ちゃんは平気なの? それともここで言った方がいいの?
心配なことがいっぱいあるのに、それが言えずにいた。本当に後悔。花梨ちゃんに、どうすれば心配なんてしなくていいエッチができるか聞いてくればよかった――と。
そんな『ハジメテだらけ』でどうしてよいか戸惑っているうちに、彼の唇が優しく黒毛の中に沈んでいった。
「んっあ」
思わず背を反ってしまった。なにもかも想像はしてきたけれど『本物』は思った以上、小鳥を翻弄する。
でももう、翔はお構いなしになっている。小鳥が激しい反応を見せても、もう彼は躊躇っていない。
「あ、やっ。翔、翔兄っ」
それどころか、ねっとりとした熱いかたまりのようなものが、小鳥の黒毛の奥へぐいぐいと入ってくる。熱く湿っぽくて、でも……。
くちゅくちゅとした小さな音が耳に届いた。甘い花のような香りがしていたこの部屋でなりやまない。
「あ……、」
彼が優しくキスをしたり、強く舐めたり、しつこく吸ったり……。小鳥の頬が燃えるように熱くなる。そしてその愛撫に小鳥も虜になってしまう。
お兄ちゃん、そこ平気なんだ。そこも、私、泣いちゃうよ……。
灼けるような狂おしさがなんども小鳥を襲った。はしたない声がでないよう堪えるのがせいいっぱい。