愛シテアゲル
「お兄ちゃん、お兄ちゃん。もう、だめだよ……」
「まだだ。俺が安心できない」
「安心て?」
「ちゃんとしておかないと、小鳥が困るだろ」
やっと唇の愛撫から解放され、ひと息ついたのも束の間、今度は黒毛の奥から痛みが走った。
「いっ」
『痛い!』と叫びそうになって、小鳥はその痛みごと飲み込んだ。男の長くて太い指が黒毛の奥の奥で突き立てられていた。
初めて、自分の身体の中に入ってきた男の――。
だけど乳房を愛されたり、黒毛の奥を厭わず舐めてくれたような、甘美な熱さが僅かにあった。熱くて痛いけど、なにかでいっぱいに満たされる様な。灼けつく痛みが。
それだけで、小鳥の身体がぎゅっと熱くほてる。
そんな小鳥を翔はじっと怖い顔で眺めている。
「痛いだろ。これだけで。あともう少し――」
「もう、少しって」
また、くちゃくちゃと舐められてばかりになるのかと思ったら、今度の翔は小鳥に覆い被さって、優しく額の黒髪をかき上げてくれる。しかもそこにお兄さんらしい優しいキスをしてくれる。
「力、抜いて」
「うん」
彼の唇が、小鳥のまぶたに、鼻先に、耳元へと、あちこちキスをしてくれる。